単身赴任で貯金できないのはなぜ?二重生活費の内訳と月額の対策
暮らしはじめ編集部|約14分で読めます
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結論、単身赴任で貯金ができないと感じる一番の理由は、家賃・通信・食費といった費目が「二重」に発生しているのに、家計を1つの財布として見てしまっていることです。費目を2列に分けるだけで、どこにお金が消えているかが見えてきます。
「単身赴任してから、なぜか貯金が増えない」——多くの人がぶつかる壁です。原因は使い方だけでなく、二重生活という構造そのものにあることが少なくありません。
この記事では、二重になっている費目をひとつずつ洗い出します。見落とされがちな帰省費用も、月額に直して【編集部試算】でお見せします。
- 貯金できない主因は、二重生活の費目を1つの家計としてまとめて見てしまうこと。2列の表に分けると原因が見える
- 見落としがちなのが帰省費用。往復の交通費×月の回数で計算すると、想像以上の金額になる【編集部試算】
- 会社の手当は会社ごとに大きく違う。まず就業規則・人事担当への確認が最初の一歩
- 削る順番は、帰省の回数より先に「手段」を見直す。次に外食、通信、保険の順
単身赴任で貯金できない本当の理由|二重になっている費目を全部並べる
まず、二重生活でいま何が2つ発生しているのか、そのまま並べてみましょう。むずかしいことは、ひとつもありません。
1つの家計としてまとめていると、どの費目がふくらんでいるのかが見えなくなります。ひとつずつ、ゆっくり分けていきましょう。
費目を2列に分けると原因が見える
| 費目 | 同居していたとき | 単身赴任後(二重生活) |
|---|---|---|
| 家賃・住宅ローン | 1軒分 | 実家(ローン継続)+赴任先の家賃=2軒分(住宅手当の有無で差が大きい) |
| 水道・電気・ガス | 1世帯分 | 基本料金だけでも2世帯分(使う量が少なくても発生) |
| 通信費(ネット回線) | 1回線 | 2回線になりがち |
| 食費 | まとめ買い・作り置きがしやすい | 2つの台所に分かれ、外食・コンビニが増えやすい |
| 帰省の交通費 | 発生しない | 新たに発生(見落とされやすい) |
| 日用品・消耗品 | 1セット | 洗剤やティッシュなど、もとから持つ分が2セット |
▶ 基本料金と帰省の交通費は、金額の大小に関わらず「新しく発生した費目」です。ここを見落とすと、削る場所を間違えてしまいます。
発言小町に寄せられた単身赴任経験者の投稿にも、この構造そのものを指摘する声がありました。
この投稿のとおり、基本料金が2つ分かかることは、使う量を減らしても消えません。節約というより「構造としてふくらむ費目」だと理解しておくのが、貯金を立て直す最初の一歩になります。
あわてなくても、だいじょうぶです。ひとつずつ、見ていきましょう。
【編集部試算】帰省費用を月額に直すといくら?
二重生活の費目の中でも、とくに見落とされやすいのが帰省の交通費です。1回ごとの支払いは把握していても、月にならすといくらか、意識している人は多くありません。
計算式はシンプルです。往復の交通費 × 月あたりの帰省回数 ÷ 1ヶ月 = 帰省費用の月換算額。下の表は、3パターンに分けて計算した早見表です。
| 帰省の頻度 | 往復8,000円 (近距離・高速バス想定) | 往復20,000円 (新幹線想定) | 往復40,000円 (飛行機想定) |
|---|---|---|---|
| 月2回 | 16,000円 | 40,000円 | 80,000円 |
| 月1回 ← よくあるケース | 8,000円 | 20,000円 | 40,000円 |
| 2ヶ月に1回 | 4,000円 | 10,000円 | 20,000円 |
▶ 【編集部試算】月1回・新幹線想定なら、帰省費用だけで月20,000円。年間では24万円です。二重生活費に足すと、重さが分かります。
※ 往復の交通費は想定額です。実際の運賃で、ご自身の帰省ルートを計算し直してください。
数字を出しただけで、少しほっとした人もいるかもしれません。次は、なぜ把握しづらくなるのかを見ていきます。
なぜ「二重生活」だと家計が把握しづらくなるのか
費目を並べただけでは、なぜ毎月ズレるのかまでは分かりません。お金の情報メディア「マネーキャリア」の記事では、家計が厳しくなる背景がこう説明されていました。
単身赴任先では知り合いが少なく、交際費や外食がふえやすいそうです。自宅に残った側もワンオペの負担からストレスを感じやすく、生活が2拠点に分かれることで夫婦それぞれがお金の流れをつかみづらくなるとも述べられていました。
実際に、発言小町にも「お小遣い制」が崩れてしまったという投稿がありました。
お金の流れが2つの拠点に分かれると、「見えないだけ」で使いみちが分からなくなっているケースは珍しくありません。まずは2列の表で見える化するところから始めましょう。
会社の手当はどこまで出る?自腹になる分を確認する
二重生活費のうち、どこまでが会社の手当でまかなえるかは、会社によってまったく違います。自分の会社がどれに近いか、まず就業規則や人事にきいてみましょう。むずかしく考えなくても、だいじょうぶです。
家賃・帰省費用の多くを会社が持ってくれるケースです。自腹になるのは、主に食費・日用品・交際費くらいにしぼられます。
家賃の一部と帰省の交通費は自腹になりやすいパターンです。前の章の早見表で、帰省費用が月にいくらになっているかを先に確認しておきましょう。
二重生活費のほぼ全額が自腹になります。最初の比較表にあげた6つの費目すべてが、削る候補になり得ます。
発言小町には、手当と自腹分をきっちり分けている家庭の投稿もありました。
この家庭のように、会社の手当の中でやりくりしてもらうという線引きができると、家計からの持ち出しがどこまでかがはっきりします。あわてず、この線引きから始めてみてください。
費目別の内訳|膨らみやすいのは食費と通信費
外食・コンビニ頼みで食費が膨らむ
単身赴任先では自炊が続かず、外食やコンビニ利用が増えやすい傾向があります。2つの台所に分かれることで、まとめ買いの効率も落ちてしまいます。
カードの明細を見て初めて気づく、というのはよくあるパターンです。レシートでなくカード明細をこまめに見る習慣だけでも、早めの発見につながります。
通信費が2回線分になる
実家の固定回線・Wi-Fiに加え、赴任先でも新しくネットを契約すると、通信費は単純に2倍になります。ここは、あとで紹介する工夫で減らしやすい費目です。
単身赴任にコスパの悪さを感じている人は、知恵袋にも多く見られます。
この感覚は、構造として間違っていません。二重生活である以上、費目が増えるのは当然のことです。問題は「どこがどれだけ増えているか」をつかめていない点にあります。
とはいえ、二重生活の費目は「今ある支出」だけではありません。
赴任先で冷蔵庫・洗濯機・電子レンジをそろえると、新品なら3点で6万円前後かかります。
理想は、赴任期間が読めるまで初期費用をかけずに始めることです。
もし赴任がまだ1年に満たない見込みなら、家電をレンタルで済ませる方法もあります。
単身赴任先の家電、買う?借りる?で迷っている人へ
冷蔵庫・洗濯機・電子レンジの3点を「持っていく」「買う」「借りる」で比較し、赴任期間ごとの総額を試算した記事があります。
よくある失敗と注意点|帰省を削ると家族関係が悪化する
二重生活費を削ろうとしたとき、最初に候補にあがりやすいのが帰省の回数です。ここは慎重に扱いたいところです。
あるFP事務所のコラムには、「節約するなら帰省費はできるだけ削らない」という考え方が示されていました。子どもの成長はあっという間で、部活や進学で会える時間はいずれ限られてくるから、というのがその理由です。
これは一つの考え方で、家庭によって答えは変わります。ただし、「回数を減らす」より先に「手段を変える」を考えるのは、多くの家庭で使える工夫です。帰省を減らさずに交通費だけ抑えられないか、まずそこから見ていきましょう。
回数でなく、手段を見直した実例
この投稿のように、回数を減らす前に、早割チケットや回数券で単価を下げる手もあります。会社の帰省旅費に上限があるなら、その先の自腹分だけを工夫する考え方です。
ここで、いったん立ち止まってみましょう。よくある失敗を整理すると、次の3つです。
- 会社の手当の範囲をたしかめず、帰省のたびに割高なチケットを買ってしまう
- 基本料金が2つ分かかることに気づかず、光熱費・通信費を「仕方ない」と放置する
- 帰省の回数をいきなり減らそうとして、家族の反発を招く
削る順番|帰省の回数より先に見直すこと
ここまでの内容をふまえ、効果の大きい順に削る優先順位を整理します。
| 順番 | 見直す対象 | ポイント |
|---|---|---|
| ① | 帰省の回数でなく手段 | 早割・回数券・LCCなど、単価を下げる工夫を先に |
| ② | 外食・コンビニ | 週の中で「自炊する日」を先に決めておく |
| ③ | 通信費 | 回線を1本にまとめられないか考える(次の章で工夫を紹介) |
| ④ | 保険の見直し | 単身赴任で必要な保障が変わっていないか確認 |
▶ ①と②だけでも、多くの家庭で月1万円前後の差が出ます。保険は特定の商品を勧めるものではなく「見直すきっかけ」として扱ってください。
保険の見直しは、特定の商品を選ぶ話ではありません。暮らし方が変わったいま、保障が今の暮らしに合っているかをたしかめる、というだけの意味です。
迷うときは、契約中の保険会社や、中立的な相談窓口に聞いてみるとよいでしょう。むりに今すぐ決めなくても、だいじょうぶです。
単身側の固定費を下げる具体策|格安SIMと電気・ガスの見直し
ここからは、単身赴任先だけで完結する見直しです。むずかしい話はいりません。
通信費は「格安SIM」でまとめられることがある
赴任先で新たに契約するネット回線・スマホ料金は、見直しの効き目が出やすい費目です。
格安SIMの評判をまとめた記事のとおり、料金プランは会社によって差があります。たとえばmineoの公式サイトでは、データ3GBのプランが用意されています(2026年8月確認)。
音声通話つき(デュアルタイプ)なら月1,298円(税込)から、データ通信のみ(シングルタイプ)なら月880円(税込)からです。
とはいえ、通信費だけを見直しても、二重生活費全体からすれば数千円の差にとどまります。
ですが、月1,298円のプランに変えられれば、大手キャリアとの差額は月5,000円以上になることも珍しくありません。
理想は、帰省費用の月換算額(前の章で試算した月20,000円)の一部を、固定費の見直しでまかなうことです。
もし赴任先の回線をこれから契約する、または見直すタイミングなら、料金プランを比べてから決めると無駄がありません。
電気・ガスの「基本料金の重複」に気づく
前の表のとおり、電気・ガスの基本料金は、使う量に関わらず2世帯分かかります。今の電力会社・ガス会社を見直すと、単価が下がることもあります。
ただし、電気とガスをまとめることには注意点もあるため、赴任先が一人暮らし規模なら、削れる額は大きくなりすぎない前提で考えてください。
単身赴任の費用は税金の控除になる?【国税庁の一次情報で確認】
単身赴任の費用には、税の面で使える仕組みが実際にあります。あて推量ではなく、国税庁のページで確かめられた範囲だけをお伝えします。
国税庁のよくある税の質問「No.1415 給与所得者の特定支出控除」には、仕事でお金を使った人むけの仕組みが載っていました。むずかしそうに見えますが、ひとつずつ見ていけば大丈夫です。差し引ける7つの支出の1つに、単身赴任者が自宅と行き来するための「帰宅旅費」がはっきり書かれていました。
やり方はこうです。1年ぶんの対象支出(帰宅旅費や引っ越し費用など)を足し、その額が給与所得控除額の半分を超えたら、超えたぶんを確定申告で差し引けます。会社が税なしで払った分は含みません。
確定申告には、明細書と勤め先の証明書が必要です。自分の場合が当てはまるか、いくら戻るかは、会社か税務署にきいてみてください。手当に税がかかるかも、給与明細で確かめましょう。
発言小町・知恵袋にみる「単身赴任 貯金できない」の声
同じ悩みをかかえる人の声を見ておくと、自分の状況を落ち着いて見つめ直すきっかけになります。ひとりで抱え込まなくても、だいじょうぶです。
この投稿が示しているのも、「誰の・どの費用か」を分けて見ないと判断できないという、この記事の核心と同じところです。多くの人が同じところでつまずいています。
よくある質問
Q. 単身赴任で家計が苦しいのは、よくあることですか。A. 珍しくありません。費目が一度にふえる二重生活では、苦しくなるのが自然です。
Q. 単身赴任の帰省費用は、どれくらいかかりますか。A. 早見表のとおり、月1回・新幹線を使う想定なら月20,000円前後です。
Q. 単身赴任手当は、どこまで会社が出してくれますか。A. 会社によって大きく違うので、就業規則や人事の担当に必ずきいてください。
Q. 単身赴任で貯金するなら、何から削ればいいですか。A. 帰省の回数でなく手段から。次に外食、通信費、保険の順がおすすめです。
Q. 単身赴任の帰省費用は、税金が戻ってくる対象になりますか。A. 国税庁の「特定支出控除」の対象に帰宅旅費が入っています。くわしくは税務署へ。
まとめ|二重生活費を2列に分ければ、原因は見える
ここまで、おつかれさまでした。単身赴任で貯金ができないのは、意思が弱いからではありません。二重生活で生まれる費目を、1つの家計として見てしまっていることが主な原因です。
家賃・水道光熱・通信・食費・帰省交通費・日用品を2列の表に分けるだけで、どこにお金が消えているかが見えてきます。とくに帰省費用は月になおすと大きくなりがちなので、まず計算してみてください。
会社の手当は会社ごとに大きく違うため、まず就業規則を確かめることから。削る順番は、帰省の回数より先に「手段」を見直すことです。
とはいえ、二重生活で一番見落とされやすいのは、電気・ガスの基本料金が2世帯分かかっているという事実です。
月々2,000〜3,000円の差でも、単身赴任の期間が2年続けば48,000円〜72,000円になります。
理想は、赴任が決まった時点で、契約中の電力会社・ガス会社の料金プランを一度たしかめておくことです。
もし今の電気・ガス料金がどのくらいか把握できていないなら、料金プランを比べてから判断すると無駄がありません。
固定費を見直したら、次は食費が一番きつい人へ
二重生活で最初にふくらむのは、外食とコンビニ利用による食費です。一人暮らしの食費をどう削るか、内訳つきでまとめた記事があります。


