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アパートの退去費用、壁の落書きは1面だけ?費用目安と消し方

暮らしはじめ編集部|約15分で読めます

※本ページはプロモーションが含まれています

結論、アパートの壁の落書きは「ふつうに住んでいてついた汚れ」とは扱われません。たいてい、住んでいた人(借主)の負担になります。

ただし全額とは限りません。分かれ目は「壁のどこまで直すか」と「住んだ年数」の2つです。

「落書き 退去費用」で検索すると、知恵袋にはいろいろな相談が並んでいます。消えなかった落書きに悩む声。6年住んだから壁紙代はタダのはず、と主張する声もあります。

今回は国土交通省のガイドラインをもとに、費用が跳ねる分かれ目・住んだ年数の考え方・自分で消す方法・保険の可否・請求が来たときの動き方まで整理しました。

先に結論だけ
  • 落書きは「ふつうの使い方を超えた汚れ」とされ、原則は借主負担
  • 費用が跳ねる分かれ目は「落書きされた壁一面だけで済むか、部屋全体になるか」
  • 住んだ年数が長くても壁紙代は下がるが、消す・張り替える手間賃は別で借主負担になりやすい
  • 子どもの落書きが火災保険で直せるかは保険会社によって見解が分かれる

落書きは「通常の使用でついた汚れ」ではない

賃貸の退去費用には、大家さんが払うお金と、借主が払うお金の2種類があります。この線引きの考え方を示しているのが、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」です。

ガイドラインは原状回復を、住んでいる人のわざと・不注意、またはふつうの使い方を超えた傷みを元に戻すことだと位置づけています。

逆に言えば、ふつうに住んでいて自然につく傷み(経年変化)は、家賃に含まれているという考え方です。借主が別に払う必要はありません。

油性マジックやクレヨンの落書きは、この「ふつうの使用を超える」側に分類されます。ある不動産会社のコラムにも、落書きは特別な損耗にあたり借主負担になる、という説明がありました。まず、ここは正直にお伝えします。

リビングの1部屋だけ壁のクレヨンの落書き、汚れ、一部の壁紙の剥がれなどが目立っており退去費用の相場を教えて頂きたいです。落とそうと頑張ってハイターやマジックリンなど色々な洗剤を試しても薄くなるぐらいで完全に落とすのは難しそうですYahoo!知恵袋の質問より

ただし、「借主負担=全額負担」ではありません。この先の分かれ目を知っているかで、請求額はかなり変わります。

費用が跳ねる分かれ目|壁は「1面」か「部屋全体」か

落書きの退去費用でいちばん差がつくのは、壁のどこまでを直すかです。国交省の公式サイトには「施工単位」という考え方があります。

原状回復はこわれた部分の復旧なので、できる限りその部分だけに限定します。補修工事も、できるだけ最低限度の範囲にとどめるのが基本という考え方です。

つまり原則は、落書きされた部分だけを直す範囲にとどまるということです。

ただし例外もあります。色や柄を合わせる必要があるときの扱いについても、ガイドラインは一定の考え方を別に示しています。壁の一面だけ張り替えると、隣の面と色や柄が合わなくなることがあるためです。

落書きされた壁一面だけの張り替え費用を借主が負担するのが妥当。ある不動産会社のコラムは、張り替えた部分がはっきり分かる状態ならこう考えるのが自然だと、国のガイドラインの考え方を紹介しています不動産会社の解説コラムより(要旨)

「色が違うから」という理由だけで、部屋全体の張り替え費用を求めるのは難しいとされています。

状況費用負担の考え方
落書きが目立つのは壁一面だけその一面だけの張り替え費用が対象になるのが基本
色・柄あわせが必要で他の面も直すとき色あわせ等の「ギャップ」があるときの扱いも別に示されている。どこまで含めるかは貸主・管理会社との話し合いになる

▶ まず確認したいのは「落書きは壁の何面にあるか」です。ここが1面か複数面かで、請求額の土台が変わります。

壁紙に汚れがあろうと、少々の破損があっても経年劣化で流す場合もあるし、修繕業者を兼ねる不動産屋だと、家賃範囲で何かと理由をつけて現状回復させる不動産屋もいます。明らかに借主の過失と判断できる汚れ・破損があれば、執拗に弁償という形で請求する管理会社もありますYahoo!知恵袋の回答より

経過年数(6年)がたっても「工事費・人件費」は別

「6年住んだから壁紙代はタダのはず」という話を、聞いたことがある人もいるかもしれません。半分正しく、半分は誤解です。

国交省の公式サイトには、住んだ年数が長いほど、借主の負担割合を減らす考え方を採用していると明記されています。

壁紙(クロス)は、ガイドラインの考え方にもとづき耐用年数はおおむね6年とされます。6年たつと、壁紙そのものの値打ち(材料費)はほぼゼロになるという考え方です。

但し7年住んでいれば減価償却を考慮してクロスの貼り替えは請求されない事が多いです。請求されたとしても通用するのは工賃分だけですYahoo!知恵袋の回答より

壁紙代(材料費)と、消す・直す手間賃(工事費)は別

ここで注意したいのが、「材料費」と「手間賃(工事費・人件費)」は別だという点です。

ガイドラインを解説した弁護士のコラムには、こんな趣旨が書かれていました。年数がたった設備でも、住んでいる人がわざとクロスに落書きをして使えなくしたとき、消すための手間賃は借主負担になるという内容です。

つまり壁紙代はほぼゼロでも、落書きを消したり張り替えたりする職人さんの手間賃は別に考えます。住んだ年数に関わらず、借主負担になりやすいのです。

経過年数材料費(壁紙代)工事費・人件費
6年未満年数に応じて負担割合が下がっていく考え方落書きなどが原因なら借主負担
6年以上ほぼゼロ(残存価値1円という考え方)落書きなどが原因なら借主負担は変わらない

▶ 「6年住んだから無料」にはならないということだけは、覚えておいてください。

ある大家さん向け相談サイトの専門家回答では、壁紙の張り替え1平米1,500円のうち、材料費400円を除いた1,101円が請求できるという例が紹介されていました。あくまで一例ですが、割合のイメージはつかめます。

自分で落書きを消す前に|筆記具別の落とし方と注意点

張り替え費用がかかる前に、まず自分で消せないか試してみましょう。ただし道具を間違えると、壁紙を傷めて逆効果になることもあります。

筆記具別の落とし方

筆記具試す道具ポイント
クレヨン・色鉛筆クレンジングオイル綿棒や布に含ませて優しくこする。落ちなければドライヤーで軽く温める
水性の絵の具水拭き→中性洗剤乾く前なら水拭きだけで落ちることもある
油性マジック・油性ボールペン無水アルコール・除光液汚れを浮かせてから拭き取る。一度で落ちなければ繰り返す
水性ボールペン中性洗剤綿棒などで軽く叩くように汚れを移し取る

▶ どの道具も目立たない場所で試してから使うのが安全です。

メラミンスポンジ・除光液を使うときの注意

注意したいのはメラミンスポンジです。汚れを研磨して落とす仕組みなので、使いすぎると壁紙自体を傷めます。

ただメラミンスポンジは素材を研磨するので、やり過ぎると壁紙を痛めてしまうから要注意ですYahoo!知恵袋の回答より
濡れた物でこすると剥がれてしまうクロスもあるので。こすったところだけ綺麗になって逆に目立ってしまい、結局全面やるしかなくなるとかねYahoo!知恵袋の回答より

この声のとおり、こすりすぎて一部分だけツヤが変わると、かえって目立ちます。そうなると「じゃあ全面を」という話になりかねません。

力を入れず、汚れを浮かせるつもりで軽く扱うのがコツです。除光液や無水アルコールも同じで、素材によっては変色することがあります。いきなり広い範囲でこすらないようにしてください。

とはいえ、油性マジックの上から半年たった落書きは、家庭の道具だけでは落ちきらないこともあります。

知恵袋には、クレンジングオイルやインキ消しを一通り試しても落ちなかったという相談もありました。

そのときは、壁紙を貼り替えずに表面を染め直す「壁紙染色」という選択肢もあります。10平米以下で13,200円(税込)からと、貼り替えより費用を抑えられることがあります。

もし自分で試しても落ちない汚れが残っているなら、貼り替え以外の選択肢も含めて料金をたしかめておくと安心です。

壁紙染色オプションの料金を見てみる 壁紙染色10㎡以下13,200円(税込)〜・見積もりは無料(おそうじ本舗公式)

子どもの落書きは火災保険で直せる?

「保険で直せないか」と考える人も多いはずです。結論からいうと、断定はできません。保険会社や契約内容によって扱いが分かれます。

賃貸の火災保険には「借家人賠償責任保険」という補償があります。これは主に、火災・破裂爆発・水漏れの事故で大家さんに賠償責任を負ったときのための補償です。

落書きはこの3つの事故のどれにも当たりません。借家人賠償責任保険だけでは、対象にならない可能性があります。

子どもの落書きが関係するとすれば、多くは「破損・汚損」という別の特約です。あるファイナンシャルプランナーのコラムには、子どもの落書きも破損・汚損補償の対象になることがある、という説明がありました。

ポイントは「親が書かせた」といった、わざとではないこと。あくまで予測できない出来事として扱われるかどうかです。

一方で、正反対の考え方を示す相談もあります。

他人が書いていったのならできるかもしれませんが、お子さまがした落書きは故意による損壊ですので、保険補償の対象にはなりませんYahoo!知恵袋の回答より

このように「子どもの行動は予測できないから事故」とする見方と、「わざとの損壊だから対象外」とする見方の両方があります。どちらが正しいとは言い切れません。

免責金額(自己負担額)がある契約も多く、少額の修繕では保険金が出ないこともあります。使えるかどうかは、契約している保険会社に直接たしかめるのが確実です。

とはいえ、これから引っ越す予定があるなら、次の部屋の保険選びで同じ悩みを減らせます。

日新火災など複数社を比較すると、借家人賠償責任は1,000万〜2,000万円ほどを目安に選ぶのが基本で、自分で選んだ場合の年間保険料は4,000円〜1万円ほどが相場です。

破損・汚損の補償が付いているかどうかは、保険によって差が大きいところです。

もし次の部屋の火災保険をどう選べばいいか迷っているなら、比較の基準を先にたしかめておくと選びやすくなります。

賃貸の火災保険をどう選べばいいか知りたい人へ

借家人賠償責任・家財の補償額・個人賠償責任の3つを基準に、実際の保険料と補償内容を比較しています。

→ 賃貸の火災保険の選び方を見る

なぜ「1面」で済むはずが「部屋全体」で請求されるのか

ここまでの考え方どおりなら、落書きは1面だけの張り替えで済むはずです。それでも「部屋全体を張り替えてください」と請求されるケースが実際にはあります。

理由を知っておくと、交渉のときに落ち着いて対応できます。

1つ目の理由は色や柄のギャップです。壁紙は年数がたつと日焼けなどで色が変わるため、1面だけ新しくすると継ぎ目が目立ちます。

大家さんとしては「どうせなら全部きれいにしたい」と考えるのが自然です。ここがガイドラインとの綱引きになります。

2つ目の理由は契約書の特約です。ある大家さん向け相談サイトでは、専門家からこんなアドバイスが寄せられていました。

特約に故意による損傷はガイドラインの価値に関係なく入居者の負担で直すものとするような一文を入れると良いです大家さん向け相談サイトの専門家回答より

つまり、大家さんや管理会社の中には、住んだ年数の考え方が及ばないよう、あらかじめ特約を書いている場合があるということです。

特約は内容が明確で、説明を受けていれば有効とされる考え方が一般的です。まずは自分の契約書に、同じような一文がないかたしかめておきましょう。

請求が来たときの動き方|内訳・単価・数量を確認する

金額だけを見て慌てて払う前に、まず内訳をたしかめることをおすすめします。見るべきポイントは3つです。

たしかめたい3つの数字
  • 面積…張り替える範囲は何平米か(壁一面か、部屋全体か)
  • 単価…1平米あたりいくらで計算されているか
  • 経過年数の反映…住んだ年数分の値引きが反映されているか

この3つが分かれば、請求が「部屋全体」なのに、話は「1面だけ」だったはず、という食い違いにも気づけます。

納得できないときは、その場で決めず見積書を書面でもらうと安心です。

壁紙の状態はどうですか?もし落書きが無くても「そろそろ張り替えた方が…」と思える状態なら、経年劣化を主張して費用の1部、5~10%程度の負担で済ましてもらえるよう交渉可能ですYahoo!知恵袋の回答より

強い態度で支払いを迫られたと感じたときは、消費者ホットライン「188(いやや)」から消費生活センターに相談できます。契約ごとに事情が違うため、最終的な判断は専門家への相談をおすすめします。

あなたはどのタイプ?状況別チェック

落書きが壁一面だけの人

その一面だけの張り替え費用が対象になるのが基本です。部屋全体の請求になっていないかをたしかめましょう。

住んで6年以上たっている人

壁紙の材料費はほぼゼロという考え方ですが、手間賃は別に請求されることが多いです。

まだ落書きを消せていない人

メラミンスポンジや除光液は目立たない場所で試してから。強くこすらないのがコツです。

請求額に納得できない人

その場で払わず、内訳・単価・経過年数の反映をたしかめてから判断しましょう。

落書きの退去費用でよくある失敗と注意点

よくある失敗
  • メラミンスポンジで力任せにこすり、壁紙のツヤ・柄を変えてしまう
  • 「6年住んだから無料のはず」と思い込み、手間賃の請求に驚く
  • 火災保険が使えると思い込み、契約内容を確認しないまま張り替えを進めてしまう
  • 請求書の面積・単価を確認せず、言われた金額をそのまま払ってしまう

とくに多いのが、消そうとして時間をかけたのに結局落ちず、壁紙を傷めて範囲が広がってしまうケースです。

無理に何時間もかけるより、早めに見切りをつけて相談したほうが、結果的に安く済むこともあります。

壁紙は落書きが無くても経年劣化として張り替え対象ですかね?だとしても落書きしていたらこちら負担ですよね…3LDKの各部屋を張り替えしたら退去費用はどの程度かかりますかねYahoo!知恵袋の質問より

この質問のように、経年劣化と落書きが混ざるケースは、判断が難しくなります。気になるときは、立会いの前に管理会社へ状況を伝えておくと安心です。立会い当日の流れやサインの注意点は退去立会いの注意点にまとめています。

よくある質問

費用について

Q. 賃貸の壁の落書きの退去費用はいくらくらいですか?

A. 落書きが壁一面だけか、部屋全体かで大きく変わります。知恵袋の回答には、一部屋全部張り替えると5万円くらいからという例もありましたが、内訳や広さによって差は大きく、正確な金額は届いた請求書の面積・単価を確認するのが確実です。

Q. 賃貸で子どもの落書きの退去費用は減価償却されますか?

A. 壁紙の材料費は、国交省のガイドラインの考え方にもとづき、住んだ年数に応じて下がります。6年でほぼゼロになるとされていますが、落書きを消す手間賃は別に請求されることが多いです。

掃除・保険について

Q. 賃貸の壁の落書きの消し方は?

A. 筆記具によって道具が変わります。クレヨンはクレンジングオイル、油性マジックは無水アルコールや除光液が使われますが、目立たない場所で試してから使いましょう。

Q. 子どもの落書きは火災保険で直せますか?

A. 断定できません。破損・汚損の特約が対象になる可能性がある一方、わざとの損壊として対象外とする見方もあります。契約している保険会社にたしかめるのが確実です。

まとめ:落書きは「消えなくても」慌てなくていい

まとめ
  • 落書きは「ふつうの使用を超えた汚れ」とされ、原則は借主負担
  • 費用の分かれ目は「壁一面だけか、部屋全体か」
  • 6年住んでも材料費はほぼゼロでも手間賃は別で請求されやすい
  • 保険で直せるかは断定できません。契約している保険会社に確認を

落書きが完全に消えなくても、それだけで諦める必要はありません。分かれ目を知っていれば、請求された金額が妥当かどうか自分で判断できます。

まずは内訳をたしかめること。それだけで、余計な出費を防げるはずです。

とはいえ、壁紙の張り替え費用が数万円になると、退去費用全体の負担も重くなります。

㎡単価をもとに概算すると、1面の張り替えで1万〜2万円台、部屋全体なら5万円を超えることもあります。

この出費を、次の部屋の初期費用で少しでも取り戻せれば、家計への打撃は小さくなるでしょう。

もしこれから次の部屋を契約するなら、お祝い金サイト経由で申し込むだけで最大5万円が戻ってくる仕組みがあります。

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とはいえ、内訳を確認しても、提示された金額に納得できないことがあります。

1面のはずが部屋全体になっていたり、単価の説明がなく高く感じたりするケースです。

そんなときは、1人で抱え込まず交渉・相談の仕方を先に知っておくと安心です。

もし請求額に納得できないなら、交渉や相談先の探し方をたしかめておきましょう。

請求額に納得できない人へ

内訳のたしかめ方や、交渉・相談の進め方をまとめています。1人で判断せず、まずは選択肢を知っておきましょう。

→ 退去費用の交渉・相談先を見る

掃除で効く場所・効かない場所の見分け方は退去費用は掃除で安くなる?、請求が来るまでの目安期間は退去費用の請求はいつ来る?もあわせてご覧ください。

この記事について
「暮らしはじめ」編集部が、国土交通省の資料と各社公式サイト、実際のYahoo!知恵袋の相談事例を調査して執筆しています。制度・料金は執筆時点(2026年8月)の情報です。個別の契約内容によって扱いが異なるため、最終判断は契約書の確認や専門機関へのご相談をおすすめします。